グラレコとは?価格の相場や依頼時の3つのポイントを完全解説【2024年版】

グラレココラム

みなさん最近「グラレコ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

一言で言うと、グラレコとは、図やイラストで会話を見える化する手法です。

仕事としては、会議の場や、イベント会場で図を用いながら、記録し、会話の内容をまとめていくことをします。まれに、結婚式のストーリーを一枚絵にしたりすることなど、その活躍の場は広がっています。

また、それを描く人を「グラフィックレコーダー」あるいは「グラフィッカー」と言うことが多いです。今回は、情報過多の時代でオンライン会議の増加に伴い、注目されつつある仕事「グラレコ」について、150件以上の依頼を担当してきた私が解説いたします。

グラレコは議事録と違い「イラスト等で話し合いの様子そのもの」を記録

書記は、会話の内容を文字ベースで記録し、会議終了後に、内容を共有する議事録を作成します。

対して、グレフィックレコーダーは、参加者全員に見えるような形で、会話内容をイラスト等を用いながら、グラレコを描いていきます。全員が見えるように書くことで、参加者の意識を共有し、認識を揃えることを目的としています。

もちろん、議事録のように、あとで内容を振り返ることも可能です。しかも、イラスト等が入っているので、より一層見やすく、より記憶に残りやすくなります。

また、会議そのものの雰囲気作りにも貢献でき、イラスト等で描かれることで、イメージが浮かびやすく、ブレスト会議などでは、意見が生まれやすくなります

グラフィックレコーダーの4つの活用法

グラレコとは、正式にはグラフィックレコーディングの略称を指しますが、現在はすごく広い意味で、グラレコという言葉が使われています。実際には、基本として4つの活用法と名称があります。

ここでは、名称だけ押さえておけば大丈夫です。

グラレコ価格の相場は1時間4〜5万円が多め

プロとして活動しているグラフィックレコーダーに制作をお願いする際、内容によりますが、1時間あたり4万円〜5万円程度費用が発生することが多くなってきております。(この金額には、事前打ち合わせ、依頼イベントに関する業界把握やイベント後のデザイン修正が別途かかる場合があります。)

しかし、グラレコの相場については、明確な基準がなく、グラフィックレコーダーの実績によるものが大きいため、価格感の幅が大きく、HP上でも載せていないことが多く、直接問い合わせて見積もりをもらう流れになっています。

私の知り合いの話ですが、芸能人によるイベントや大規模イベントでの実績がある人は、1時間10万円以上の単価になる傾向もあるようです。また、チームで活動されているグラフィックレコーダーに、グループワークなど複数のグラレコを依頼する場合も価格帯が高くなります。

ワークショップや1日のイベントにおいては、数十万円に及ぶケースもありますので、それは個々のグラフィックレコーダーに予算感を伺っておいた方がいいでしょう。

逆に、アマチュアで活動されている方や、駆け出しで実績を作りたい方などは5,000円程度で依頼できるケースもあります。

用途、会場の大きさやイベントの規模感によっても変動してくる場合があります。ある程度の金額イメージを持って、グラフィックレコーダーに金額を提示してみることがいいでしょう。

二次利用については追加料金が発生する場合あり

制作されたグラレコを用いて、新たに宣伝用のポスターにしたい、グッズにしたいと言った場合は、二次利用の使用料金がかかるケースがあります。勝手に利用するのではなく、その点においても、先に利用を見越している場合などは、グラフィックレコーダーに確認しておくようにしましょう。

会議やイベントの目的に応じて変化するグラレコの使い方

グラレコの依頼するときは、導入することにおける目的を共有しておくことで、グラフィックレコーダーが最適なやり方を提案しやすくなります。

目的と使い方の例としては

などです。

依頼前から当日までの準備とポイント

①依頼前から当日までに流れを確認

  • 2週間以上前には依頼

グラフィックレコーダーは個人で活動されている方が多いため、スケジュール確保のために余裕を持って、2週間以上前には依頼をするように意識しておきましょう。

  • 平均1週間前には資料共有

グラフィックレコーダーに依頼後は、事前資料や登壇者の情報、タイムスケジュールなどを共有することで、グラレコしやすくなります。

依頼までのうちに一度オンラインツール等で打ち合わせし、描いてほしいイメージや、全体の流れなどを話し合っておきましょう。

また、複数人にグラレコ依頼する場合は、最低限どこまで統一感を持って、やってもらうか(枚数を揃える、文字の縦書きや横書きを揃える、紙の向きを揃えるなど)を決めておくと、共有時のばらつきを減らす事ができます。

統一感を持たせる部分と自由性を持たせる部分は、依頼者側で考えておくといいでしょう。

  • 登壇者や参加者には、イベント前にグラレコが入ることを説明しておく

登壇者の方の中には、内容について、描かれることを嫌がる人もいます。そのため、最低限、登壇者の方には、NG内容の有無、描いた資料を参加者に共有しても大丈夫か、まで確認しておくことをお勧めします。そうすることで、誤った情報や拡散してほしくない情報を流してしまうことの防止につながります。

また、登壇者には、イベント終了後にグラレコ内容をすぐチェックいただくよう説明しておくと、内容を修正し、早い段階で参加者への共有することができます。

※(対面の場合)グラレコする場所を事前に決める

模造紙で描く場合、会場内にグラレコをするためのスペースも必要になってきます。事前に会場内の図面を用いたりし、描いてもらう場所を決めておきましょう。

登壇者の脇で描いていたりすると、参加者の意識がグラレコに向いてしまう可能性があるため、基本的に、グラフィックレコーダーには、会場全体を見渡せ、登壇者の邪魔にならない位置で描いてもらうことをオススメします。

また、模造紙は壁に貼るための壁質や壁の広さも重要になってきます。壁がでこぼこしていると、描きにくく、テープで固定もしにくくなります。場合によっては、ホワイトボードを用意し、そこに模造紙を貼って描いてもらうなどの対応が必要となってきますので、確認しておくといいです。

②イベント中に適度にグラレコを共有し、場を盛り上げる

オンラインイベントであれば、イベント内でのグラレコの画面共有できるかどうかの確認作業をしておくことが大事です。当日に簡単でも構いませんのでリハをして確認しておくといいでしょう。

リアルイベントでも、グラレコをどのタイミングで共有するか、イベント関係者内で共有しておきましょう。

適度に共有することで、参加者にとっても内容を振り返りやすくなりますし、場面転換としても、イベント熱を高めることができます。

③イベント終了後の投稿で拡散を目指す

イベント終了後は、まだ参加者が感想などを共有したいところで、グラレコがあるとそれに合わせて、感想などを発信しやすくなります。グラフィッカーと調整しながら、可能であれば、早い段階で投稿すると、イベントを知ってもらう目的としては、効果を発揮できます。

※納品後のグラレコ修正等は事前にグラフィッカーに確認

グラレコ納品後、誤りがあり修正する場合には、追加料金が発生する場合したり、修正自体が難しい場合があります。事前にグラフィックレコーダーに確認しておきましょう。修正が必要な場合は、それらを整理して、いっぺんに直してもらうようにした方がお互いの負担が少なくてすみます。

また、一度参加者に共有したものを修正する場合は、参加者に修正後のデータを共有できるように参加者のグループを事前に作っておく事がいいでしょう。

グラレコの今後はどうなっていくのか

いかがだったでしょうか!グラレコは近年話し合いを活性化したり、参加者の印象に残るイベントとすることを目的に企業やイベントで導入が増えてきています。現在では、動画からの書き起こしやオンラインイベントでのグラレコ活用、まちおこしでの住民の意見の可視化などの依頼も増えてきました。医療、教育、環境など、複雑な問題が絡みあう中での会議やイベントなど、今後はさらに活用される分野が増えていくのか、注目ですね!